ワーキングメモリと英語入門
ワーキングメモリと英語入門 湯澤美紀・湯澤正通・山下桂世子 編著 北大路書房
ディスレクシア(書字困難)をはじめとする学習障害児にも有効な多感覚学習法による英語入門期の教育書です。
編集、デザイン組版、装丁と一括で担当させていただきました。
ここでいう多感覚とは、視覚、聴覚はもちろんのこと、体の動きや、触覚(指で触れる文字)までをも含むもので、ワーキングメモリ容量が小さいとされる学習障害児の認知と記憶へ多方向からアクセスし、その定着を図るものです。
理論編では、中国人幼児と日本人幼児の英語の聞き取り実験から、「日本語耳」が英語の聞き取りにどのように影響しているかが明らかにされています。
実践編では英語書字と発音について、イギリスの68%の小学校で採用されているシンセティックフォニックスの実践が紹介されています。驚くことにイギリスにおいても書字と発音は小学校の7年をかけて、じっくりと習得するそうで、この期間を通して英語が母語の子どもたちも、そうではない子どもたちも、等しく正確な発音と綴りを習得するとのこと。もちろん「日本語耳」にも有効です。
編者のお一人の山下先生は、そのシンセティックフォニックスの学習書の草分けとも言える「ジョリーフォニックス」の公認トレーナー。現場で役立つ手作りグッズの紹介もあります。
理論から教授方法、実践まで、イラストもりだくさんの楽しい本に仕上がっています。
7月30日発刊。